※多朗さんに「雅楽」「伝統音楽」などについて聴いた時の会話の一部を抜粋し、お届けします。
雅楽に関連したり、しなかったり。つい盛り上がってしまったお話なども、お楽しみください。
私(青栁):今回、「SHOGUN」のサウンドトラック製作に携わったことで新たな発見とかはありましたか。
多朗(以下、多):「グレート」「マジック」と、アッティカスら世界的に活躍する作曲家、音楽家が非常に高い評価をしてくれたことが嬉しくもあり、不思議な感覚だった。
私:私たちは雅楽を聴くと神聖さを感じますけれど、外国の方も同じ感じ方なのですかね。
多:それもいろいろな感じ方があるんだよね。アッティカスから珍しく直接メールが来たことがあって、「今エディットルームにいる。真田が映っているところで篳篥がプワァと鳴った時に笑ったスタッフがいる。 多朗これって面白いの」って。「全然面白くないよ。自分がクールだと思ったらそれを貫いたら」と返信したことがあった。
このエピソードを篳篥奏者に話したら、「雅楽は同じ演奏でも笑う人と泣く人がいる」って。
私:日本人は、「神聖」なものという先入観があるから神聖という感想を抱く部分はあるかもしれませんね。外国の方はフラットな感覚で聴けているんですね。
多:そうそう。さっきの篳篥奏者が言っていたけれど、子どもは半分感動、半分爆笑なんだって。でも、その奏者としては「笑っていいんだ」って。
私:他の楽器ではあまりない現象ですね。
多:神さまと同じかなって。高千穂神楽を観た時に、神様にもふざけたり、怒ったりいろんな側面があった。ただただ神聖なだけではないんだよね。
私:雅楽も神聖なだけではなく、いろいろな表情があるのですね。表現もいろいろあるということですよね。
音楽背景として雅楽が取り入れられた「SHOGUN」で特に思い入れのあるシーンはありますか。
多:作曲に向き合うときとはいつも同じ姿勢。全て同じように力を注いでいる。だから「特に」というのは無いのだけれど、今回の特徴としては、アメリカからデータで送られてきたスケッチを見た時に、尺八とかを含めた日本の伝統楽器を朗々と鳴らしたいと思ったの。だから、一番シンプルな、一番ベターなフレーズを書いた。
私:楽器の個性、元々の力を生かしたのですね。
多:そう。それをアッティカス達が「グレート」と評価してくれた。
私:それぞれの楽器の個性やそれぞれの力がますます気になってきました!
声明(経文を朗唱する声楽の総称)も取り入れていますよね。お経のほんの一部、一発声を切りとって使っているところも。お経の一部を切りとって繰り返し流すって日本人にはなかなか無い発想、感覚ですよね。多朗さんとアッティカスさんたちの感覚のミックスがすごい。本当の意味での日米合作ですね。
多:確かに!
今後、悠久の時を経て、海外の方々をも魅了する「雅楽」、そして、雅楽に用いられる楽器についてもさらに深掘りして参ります。
お付き合いください。
Written by Atsuko Aoyagi / ao.Inc.
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