最近「テクノロジーが予測する未来 web3、メタバース、NFTで世界はこうなる」(SB新書) という本を読み、伊藤穰一さんという人を知りました。
いま現在、DAOやweb3に関する紙の本自体があまり出ていないために、発売とともに購入をして読んでみました。
ネット上に溢れているweb関連の記事の多くはなかなかとっつきずらく、
「知らない間に世界は変わってたんだな、、ここからこの世界に入っていけるのかな」
という不安がありましたが、この本はそういった人のために書かれているように感じました。
自分のような人でも本のうちの半分くらいは既知の情報が入っていて、
滞ることなく最後までスッと読み通せます。
■本書ではメタバース を
「オンライン上でのコミュニケーションを前提として、何らかの価値の交換が行われている空間」
と定義していますが、これはいままで聞いたメタバースの定義の中でもっとも納得がいくものでした。
■クリプトエコノミーで稼ぎを得、仮想通貨を仮想通貨ATMで現金化して生活する若者たち=「BANKLESS」(銀行なし)が「感覚としては、既存のシステムや価値観に嫌気が差し、ドロップアウトしてコミューンで暮らすというような、やはり1960〜70年代のヒッピー文化に似た雰囲気を感じます」という記述にわくわくしました。
■もちろん中には疑問に感じる箇所もあります。
たとえば「宗教的行為」をNFT化するというアイデア。
神社などに参詣してお布施をするとNFTがもらえ、参詣とお布施が途絶えると無効になる。
というNFTのアイデア。
(これはご本人も宗教的な行為が形骸化する危惧がありつつも、技術的には可能ということ自体が面白い、と書かれています。)
正直なところ、むちゃくちゃだな、、笑 と思います。ですが、
いろいろなマイナス要素があることを認めつつ、こういった一見ありえないアイデアもいったんは出していく姿勢は非常に面白いです。
清濁併せ呑みつつ、いいことも悪いことも起きることがわかりつつ、全体としては良い方向に向かう、わくわくすることが起きるはず、という熱意を感じます。
またyoutubeで彼が出演しているビデオを幾つか見ました。これなんかは、かなりDAOについてわかりやすく説明をされています。
その伊藤さんがHenkaku DAOというDAOを限定したメンバーで始めているということを知り、さっそく入らせてもらえないか応募をしてみたところ、無事入会させてもらえることになりました。
HenkakuDAOのDiscordに入ってみたところ、メンバーは数百人程度、実働しているのは100名弱くらいかな、という印象。本当に限られた人たちで動いているDAOのようです。
各人の自己紹介を見てみると、学生から主婦、AI関係の学者からアーティストまでさまざまな人が参加をしていることがわかってきました。
Discord内にはいろいろなチャンネルがあります。
初心者向けのチャンネル、web3の勉強をするチャンネル、音楽やディスカッションのためのチャンネルなどなど。
ただ、正直、このDiscord特有のルールなのか、DAOのルールなのか、用語や使い方が正直、まだぜんぜんわかりません。
これまでPCソフトやゲームなどで、「はい、これからこのソフトのルールや操作方法を覚えてね!」という体験はやまほどしてきたつもりですが、このDiscord、これまででトップクラスにとっつきにくいです。
でもみんな普通にやり取りができてるってことは、あつかいにくいと感じているのは今だけのはず。。
しばらく毎日触って訓練をしてみます。
話によると、このDAOのなかで仕事が生まれ、顔も合わせたことのないメンバーが集まって仕事を完遂していくことがもう実際にあるらしい。
またDAOというものはその組織のトップという存在がなく、ここの自律した人々による投票で物事が決まっていく、フラットな組織だとのこと。
こういったことはさっきも書いたDiscord上の空気感ややり取りをしていてなんとなく雰囲気がつかめてきました。
そして、このリベラルな雰囲気はとても好きですし、心地いいと思っています。
このようにDAO的に事業を立ち上げて仕事をしていければ楽しいだろうなと思います。
ただ、、ただですよ。一つ気になっていることがあります。
それは、この「投票性」というのが、どこまでうまく機能するかということです。
自分がこれまで関わってきた音楽や創作の世界では、みんなの意見を取り入れて作るということ自体がほとんどありませんでした。
というのも、一人、または一部の人たちが独断で考えてつくることがいい作品をつくる鉄則だったからです。
一人、または一部の人達がガンガンを作り進めていくものを他の人たちがただフォローをしていく。
こういう形で進めたほうが良い結果につながることが多かったです。
Iphoneを作ったスティーブ・ジョブズもかなり独裁的な経営者だったらしいですが、かれがいなかったら今のappleはなかったでしょう。
極論かもしれないですが、その場に黒澤明という天才監督がいるのに、
脚本、出演者、音楽などの要素を全部投票制で決めたら「七人の侍」みたいな映画ってぜったいにできないと思うんです。
DAOはこういう作品には向かない、ということで
ある種の仕事はDAO的に、作品制作などはまたちがう仕組みで、
とうまく切り分けてかんがえるのでしょうか・・?
もちろん、DAOに携わっている人はこういったことも考え済みなのでしょうから、これからいろいろと質問などをぶつけていってみたいと考えています。
これからこのDAOでどうやって事業や企画が立ち上がり、どういう結果になっていくのか。自分も参加しつつ、観察していきます。
それでは、また!