夜、なかなか寝付けずに、同じことばかりぐるぐる考えてしまうときがあります。
そんなときには音楽で部屋の空気を変えてみてはいかがでしょうか。
20年以上にわたって音楽を作ってきたわたしたちがお気に入りの空間の音楽(アンビエントミュージック)をご紹介します。
ここに挙げた音楽たちはすべてSpotifyのプレイリストにまとめています。
Spotifyをご利用のかたはこちらからどうぞ。
ここの作品の画像のリンク先はamazonのCDやレコードです。
物として持っておきたいかたはそちらからどうぞ。
アンビエントミュージックのパイオニア、ブライアン・イーノの代表作の一つ。
もともとは空港のために作られた音楽ですが、アンビエントミュージックの代表的なアルバムとしても知られています。
ブライアンイーノの音楽は、気持ちを安らかにしてくれますが、ただただ優しい、柔らかい、というのではありません。
その音楽には闇や寂しさといったネガティブな要素も同居しているように感じます。
その分、音楽に深みがあり、安心して自分の頭や感覚を委ねることができます。
嫌なことや、人に見せたくない側面も、自分の一部であることを淡々と諭してくれる、
ありのままの自分を受け入れ、良い意味であきらめが付く。そういう音楽だと思います。
本当の意味でホッとしたい方におすすめします。
ニューエイジ・ヒーリングミュージックのパイオニアの一人、steven halpernの代表作。
音を鳴らした瞬間から部屋の空気がすーっと柔らかく澄んでいく素晴らしいアルバムです。
キーボードを即興的に弾いてるだけのアルバム?ちょっと単調かも?と最初は思っていたのですが、意外や意外、何っ回聴いても全然飽きません。2022年はこのアルバムを100回くらいは聴きました。寝る時にももちろん何度もかけました。
ドイツを代表する電子音楽家と坂本龍一さんのピアノで作られた上質な音楽が
部屋を内省的、かつすっとした涼しい空間にしてくれます。
Alva Noto普段はかなり攻撃的な電子音を出すことも多いですが、
このユニットの時にはよりインティメイトな、個人的な音を出しています。
そこに坂本龍一の暖かくも寂しさの感じる洗練されたピアノが重なり、なんとも言えない素晴らしい音楽になっています。
ここまでクオリティの高い電子音楽もそうそう無い気がします。あまりにクオリティが高いので、完全に頭や心を預けてリラックスできます。仕事のときにもよくききます。
このユニットで結構な数の作品がリリースされていますが、この1stアルバムがベストだと思います。
ジョン・ケージ / In a Landscape (ある風景のなかで)
孤独と暖かさ、今と過去、存在と非存在が同居したゆったりしたピアノソロによる素晴らしいアンビエントミュージック。
ミニマルのようでありながらもずっと変化しつづけて、じつはほとんど繰り返しがないこの曲は、
あたかもモノクロームの霧の世界を、一人でゆっくりと歩いているような印象があります。
ジョン・ケージは「4分33秒」など、
過激なパフォーマンスや特徴的な思想が取り沙汰されることが多いですが、
音楽家として純粋に素晴らしい作品をたくさん残しています。
個人的には彼のピアノ作品には大好きな曲がたくさんあります。