大三島・伊東豊雄建築ミュージアム|常設展示・映像のための音楽制作(2014–2019)

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愛媛県今治市・大三島にある 伊東豊雄建築ミュージアム にて、

2014年から2019年までの6年間、館内に流れる音楽および展示映像のための音楽制作を担当しました。依頼元は 伊東豊雄建築塾 です。

最初に求められたのは、単なるBGMではありませんでした。


「自然と共存する建築」「人が自由でいられる建築」といった伊東豊雄氏の思想を、建築空間と矛盾することなく、音としてどう立ち上げるか。

展示の理解を妨げず、むしろ来館者の意識をひらき、大三島という土地の空気そのものを感じられる音の在り方が問われていました。

音楽は、ピアノと電子音を軸に、大三島の環境音を取り込みながら構成しています。

旋律や展開で引っ張るのではなく、建築や展示のリズムに呼応し、気づかれないほど静かに、しかし確実に空間の質を支えることを意識しました。

この仕事が6年にわたって続いた理由は、音楽を「一回作って終わり」にしなかった点にあります。

展示が変わるたびに音も更新し、毎年大三島を訪れ、現地の空気に触れ、伊東氏やスタッフの考えを聞きながら、その時点での建築や思想に向き合い直してきました。

伊東氏自身の思考が年ごとに変化していくのに合わせ、音楽もまた固定されることなく、少しずつ姿を変えていきました。

結果として、音は展示の背景に退きながらも、来館者が建築や展示に集中し、島の時間をより深く味わうための層として機能しました。

本件は、環境音や時間の変化まで含めて音を考え、思想と場所に長期的に向き合い続けた事例です。

Client
伊東建築塾 NPOこれからの建築を考える
Music
Taro Ishida
url
http://www.tima-imabari.jp
TAG
#石田多朗