

2025年9月、国重要文化財・笠間稲荷神社本殿の改修完了を記念した奉納ライブが開催されました。
石田多朗は、自身のプロジェクト「石田多朗×常世」として出演し、音楽監督として公演全体の設計を担いました。
ご相談は、笠間稲荷神社および笠間の文化全体を、文化の本質を捉えながら盛り上げていきたいという「胡桃の木の下で考える会」から。
企画段階ですでに、出演者として U-zhaan(タブラ)、鎮座DOPENESS、環ROY、冬にわかれて(寺尾紗穂・伊賀航・あだち麗三郎) など、参加を依頼したい音楽家の方向性が定まっていました。
一方で、それを単に出演順に並べる“フェス”ではなく、奉納=神事として成立する形にしたい、さらに一度きりの催しではなく、この先の文化の継承や地域の盛り上がりへとつながる出発点にしたい、という明確な課題と意志が共有されていました。
石田は、雅楽とクラシックを融合した演奏を軸に、神社建築の響きや夜の境内の空気感も含めて音楽構成を設計。出演者の出演順や場の流れを整えるだけでなく、
奉納という趣旨を観客に丁寧に伝えるために、神社の背景や「奉納する」という行為の意味、なぜこの形のイベントを行うのかを、できる限りわかりやすい言葉で共有する進行も組み込みました。
当日は約350人が来場。神社で音楽を聴くことで聴こえ方が変わった、神道への心理的な距離が軽くなり、楽しく面白いものとして感じられた、次回もあれば必ず行きたい――
そうした反応が多く寄せられました。さらに笠間稲荷神社側からも、今後も継続した関係を続けたいとの声があり、
奉納公演を「その日限り」に終わらせない取り組みとして、次につながる一歩となりました。