

2021年2月3日〜4月24日に国立新美術館で開催された『佐藤可士和展』内のデジタルインスタレーション「UNLIMITED SPACE」にて、空間音響設計と音楽制作を担当しました。
来場者をリアルタイムにキャプチャし、検索データによって像が生成されるという、
極めて抽象度の高い体験に対し、求められたのは親しみやすさではなく、超ハイテクで冷静な世界観を音として成立させることでした。
企画の初期段階では、「音をどう置くべきか」がまだ定まっておらず、映像と空間の関係性を含めて整理する必要がありました。
そこで、空間全体を前提に音の役割を設計し、体験の輪郭を静かに支える音響構成を選択しました。
音の生成にはプログラミング・ソフトMAX/MSPを用い、メロディやビートに頼らず、映像と同じ思想で音を構築しています。
無機質さを保ちながらも、映像と重なったときにだけ身体が自然に反応するよう、心地よさとのバランスを丁寧に調整しました。
音楽として前に出しすぎない判断も含め、展示体験の一部として音を配置しています。
結果として、音は主張することなく体験を支え、来場者が自然と立ち止まり、空間に没入する状態が生まれました。
展示は高く評価され、ブランドとテクノロジーの関係性を、視覚だけでなく感覚として伝える場となりました。