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NHKとちぎ630気象情報の音楽について

2025.05.03
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この曲は、NHKのニュース番組「とちぎ630」の気象情報のために作曲した音楽です。

栃木の自然を音楽で表現することをテーマに、シンプルなピアノフレーズを繰り返しながらも、決して“ただの繰り返し”ではない音の動きを目指しています。

雨が降るとき、一見同じ水滴が空から地上へ落ちているように見えますが、実際には一つ一つの水滴が異なる動きをしています。
木々の葉が風に揺れるときも、川の水が流れるときも、同じように見えて全てが少しずつ違う動きをしています。自然のその繊細で多様なリズムを、演奏に込めました。

楽譜には同じフレーズが繰り返し書かれていますが、演奏では一音一音、わずかに変化を加えながら奏でています。
それは自然が見せる無数の微細な違いを音で表現する試みです。

また、気象情報という“情報”を伝える時間でありながら、同時に空や天気、雨や雪といった“自然”そのものに向き合う時間でもあることに着目し、情報ではなく「自然」にフォーカスした音楽を目指しました。

毎日流れる気象情報という時間が、ただ天気を知るためのものではなく、日々自然を感じるための貴重な時間へと変わっていく──その積み重ねが、新たな価値を生み出せるのではないか。そんな願いも込めています。

この音楽が、日々の空や風、雨の表情にそっと意識を向けるきっかけになれば幸いです。